わたしは上澄みを天井に見上げて最底辺に眠る混合沈澱物
その泥沼には誰も手を差し伸べない、見向きもしない、関係がない
そして、わたしはそれを知ることはない―
神秘の深海に佇む硝子の森へ赴き、
提灯鮟鱇の街路灯を頭上に抜け、
電飾紛いの歪な海月を横目にあの城へ
秘密の舞踏会で踊り続けて
倒れて眠る深海魚公爵殿下は、
目覚めの口づけを求めて
硝子の森を彷徨う屍人と成る
暗色怪魚には剣を以て
螺旋の先の地下神殿へ
†漆黒の中で僕を見付けて†
蒼過ぎる青は暗く、黒く
盲目殿下は闇に溶ける
†君の剣【ひかり】で
僕を殺【照ら】して†
彼が求めていたものは
解呪の口づけによる死としての生か、
死からの解放による生としての死か、
どちらを選んだのかは誰も知らないが
確かな事は ただひとつ
今も地下神殿には眠ったままの
眠らぬ王子が踊り続けているという噂が
絶えず国中に生き続けているという伝承…
終劇したのか
↑するのか↓
↑させるのか↓
↑しないのか↓
幕を開くのも引くのも君次第、
誰も知らない、君も知らない
終わりを知らない物語
PR