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泥沼に染まった屍猫の物語

それはそれは白く美しい猫だった

町外れのお屋敷に住む
病弱な少女に大切にされていた

初めは猫が遊びに誘ったけれど
次第に少女が猫を呼ぶようになった

豊かな自然に囲まれて
少女の病態は良くなっていた

少女は猫を愛していたし
猫もまた 少女を愛していた

ずっとこのままでいられたら
そう願った矢先のこと

白く美しい猫の噂は風に乗り
街中の富豪の耳に届いた

幼い少女の手の平には
温もりこそあったが
大切なものを守るには
あまりにも小さ過ぎたのだった

欲望の高波に飲み込まれ
終に猫には売値がついた

ある新月の晩…

少女と猫は叶わぬ約束を交わし

猫は森で待ち続けた

森を彷徨う内に疲れ果てた猫は

沼に足を取られ、静かに
その人生を振り返ることになる…


†僕に人目は痛かった†


忘れないよ

君と過ごした日々
木漏れ日の暖かい窓辺のベッド

決して広くはなかったけれど
僕と君にとっては世界だった


†君に一目会いたかった…†


忘れられないよ

もう一度
僕に向かって微笑んで

僕の名前を呼んで

僕といっしょに遊ぼう

僕といっしょに眠ろう
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